シンガポールとメイドさんシンガポールとメイドさんアヤシゲな響き…メイドさん..(違う) この間新首相に就任したリ・シェンロン氏は、国民に対していくつかの公約をしました。 例えば週休2日制。シンガはさすが公約から実行までが早い!(つーか、驚くべき事に本当に実行される!!) 公務員の夫は、最近土曜の朝から私の安眠を妨げています。2ヶ月前までは土曜は隔週で出だったのです。 この他公約として注目されたのは、働く母親(カップル)に向けてのBenefitです。 例えば産休の延長。これまで産前産後1ヶ月だったのが、2-3か月に。(覚えてない..)育児休暇の充実、補助金の配当など。 リー氏は「こうしたことは、他の国では見られない。我々の国に特有の今現在得られるBenefitである。」と前置きした上で、「メイド雇用」への補助も約束していました。 シンガポールでは、人々が家事や育児や老人介護の手助けとして、フィリピンやインドネシア、その他アジアの国々からの出稼ぎメイドさんを雇うのがどこの家庭でも普通に見られます。 母親と子供たちの後を、スーパーの袋を下げて歩いていたり、レストランで小さな子供たちの面倒を見ていたりする姿をよく見かけます。 大体20前半の彼女たちはなぜか皆同じようなスタイルをしています。単パンにTシャツにサンダルという出でたちです。 夫の親戚もメイドさんを雇っている家族はたくさんいます。 小さな子供が2人いて、これから3人目が生まれるという親戚の家でも、2度目のメイドさんを雇うことになりました。(1度目はいろいろあって郷に帰ってもらったようです。) 子供たちが小さい時の短期助っ人として彼女たちは雇われているようです。シンガポールの母親は子供ができても仕事は辞めずにお金を稼いでメイドを雇うという選択があるのです。 数人の日本人にメイドさんの雇用に関して意見を聞いてみたのですが、日本人には、メイドさんを育児に介入させることに否定的な考えを持った人が多いようです。 小学生くらいの子供たちが、学校帰りにメイドさんにカバンを持たせて自分は楽々歩いている所などを見ると、子供がわがままに育ってしまっている..と感じ、自分の子供には自分のことは自分で出来るようになってもらいたい。と思うと、ある日本人男性は言っていました。 それに対するシンガポール人の意見はこうです。 まず、手に入る助け(メイドさんの労働力)があるのならばなぜそれを有効利用しないのか? メイドさんたちだってお金が必要だから出稼ぎに来ているのであって、彼女たちに経済的な可能性を与えている。 雇用主とメイドさんの関係性は悪いとは限らない。中には本当の家族のような温かい関係性を築くメイドさんたちもいる。 まあ、確かにその通りです。 私自身としては、メイドさんを雇うのは、それから得られる利益よりもかなりの苦労(気苦労?)と家族への影響があると思うので、できれば関わりたくない..というのが本音です。 もし私がお嬢様の生まれで人を雇って面倒を見てもらうことになれていれば別ですが、他人がずーっと家族と一緒にいて、あまつさえ自分の子供の面倒を見てもらうというのは結構なチャレンジではないかと思うのです。 親戚の子供とメイドさんを見ていても思うのですが、よっぽどエキスパートのメイドさんでないと、子供の面倒は見れてもしつけはできません。本当は素直でいい子な幼い子供が、メイドさんの与える食事をなぎ払ったり、彼女を軽んじた態度をとるのを見ていると、やはり心が痛みます。誰のせいと言うわけではありませんが、やっぱり難しいと思うのです。 昨日デパートの化粧室で、非常に出際よく幼い女の子をトイレに入れて、手を現せているメイドさんを見ました。 この手際の良さは、きっと何人かの子供をこうして見てきたからなのかもしれません。 こうして子供の面倒を見てもらっている間、お母さんは別のことができるのだから、いい。と思いつつも、それではさびしい。という感じもしました。 私は子供もいないので、お母さんになって様々な雑事に追われてみないと、メイドさんを雇用するBenefitについてちゃんと評価ができていないかもしれませんが、 それでもどこをどこまで人任せにするのかというのは、判断が難しいと思いました。 シンガポール人もこの環境にまだ馴れていないのでしょう。 いろいろな試行錯誤が各家庭で行われていることだと思います。 今の子供達が大きくなったら、この功罪も明らかになるのでしょうか。 (2004年10月3日) |